あてもなく歩くことは、ある
たまに歌詞で聞きません?「あてもなく歩いた」って。
最近で記憶しているのは、TVで流れてたソフトバンクCMのクリープハイプの歌です。
これです。
で、その時は思ってたんです。あてもなく歩くことなんてあるか?って。僕はそんな経験なかったから。だからこの歌詞が出てくる歌を聞くたび心の中でちょっとバカにしてました。実際にやらないことを歌詞にするなよ、お前はやったことあるのかってね。
歌詞検索サイトとかで「あてもなく 歩いた」で検索すると、50件ほどヒットしました(意外と少ないな)。世の中にはそういう歌詞が存在するわけですよ。「あてもなく 彷徨う」パターンもあるね。
でも今日、実際に「あてもなく歩き」ました。びっくりしました。歩きながら自分で笑っちゃうくらい。
状況的には、ある人とケンカしたんです。いや正確には向こうが私に対してすごく怒ってて、でも私はそれに納得できない状況が結構長く続いたんです。私にはどうにもコントロールできない事柄に対して、私に責任があるとして非難される状況。で、私が状況を説明したり、弁明したりすると、「そういうことを言っているんじゃない!」と返答がくる。まぁ、向こうからすると言い分がまた違うんでしょうけども。
それで、かなり精神的にダメージを受けまして、家に一人でいたんですけども、どうにもならなくて、「あてもなく歩こう!」と思って家を出ました。私は激情型の性格ではないので、鍵も財布もスマホも折りたたみ傘も持って、靴を履いて家を出ました。目的地も決めず知らない道を歩こうと思って歩いたのですが、当たり前に自宅周辺はだいたい土地勘があるので、迷子になることは決してなく“彷徨う”ことはできませんでした。迷子になるって難しいね。道中、公園を清掃している人を見て、ご苦労様ですと心の中で言ったり、用水路にかかっている小さな橋に一人座っている老人をみて寂しいなと思ったり、街頭で卒論の為に調査している大学生のアンケートに答えて人の役に立ってよかったと思ったりしましたが特にイベントは起こりませんでした。
それで、30分ほど歩いてとあるお寺に着きました。住宅地の中にあって、小高い丘の上にあるお寺。そこで素敵な展望台を見つけました。遠くの街のランドマークタワーや(たぶん)富士山も見えるような素敵な場所でした。ちょっと気分が晴れました。あてもなく歩いてよかった。
考えを改めました。人は「あてもなく歩く」ことはあるし、きっと「会いたくて震える」こともあるんです。自分の経験が浅かっただけなんだなって。
皆さんにとってはそんなこと当たり前ですかね。でもいいでしょ、ここは僕の日記帳なんだから。
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